再びの旅

AIとの旅路

 

旅には「流れ」というものがある。その流れに身を委ねることで見えてくるものがあり、それをつかむ瞬間こそが旅の醍醐味なのかもしれない。「AIとの旅」が私の流れに加わったのは、2023年2月のことだった。行き先は北海道、目的は流氷を見ること。しかし、その旅は期待外れに終わった。今思えば、それはAI特有の「ハルシネーション」が原因だったのかもしれない。だが、それもまた旅の一部だ。

 

それから1年。私はAIに背を向けていた。だが、再び旅に出たいと思う気持ちが湧き上がる。行き先はタイ北部、チェンマイ。そこからミャンマー国境へ、さらにゴールデントライアングルを経てラオスへと続く陸路を計画した。

 

 

流れが向かうチェンマイ

 

チェンマイを選んだ理由は単純だった。ひとつは、LCCの直行便が就航したことだ。バンコク経由の手間がなくなり、行きやすくなった。そしてもうひとつは、チェンマイには美人多いという噂だ。しかし、それ以上に私の心を動かしたのは、旅路のどこかで新しい何かに出会える予感だった。

 

旅の準備を進める中で、ふと思い立ち、ChatGPTに再び問いかけてみた。

 

 

 AIとの会話

 

ChatGPTに「チェンマイ 旅」というキーワードを投げかけると、驚くほど整理された情報が返ってきた。ベストシーズンは11月から2月。行事や注意事項まで丁寧に教えてくれる。さらに現地の気温や服装、持ち物まで。Google検索とは違い、答えを探す手間がない。情報は流れるように手元に集まり、その手軽さに心が躍った。

 

試しに持ち物リストを依頼すると、ものの1秒で必要なものがリストアップされた。旅に出る前の準備はいつも面倒だったが、これならばストレスもない。私はすっかりAIとの会話に引き込まれていた。

 

 

準備の流れ

 

航空券はスカイスキャナーで探し、宿泊先はGoogleマップを活用してBookingcomで予約。情報収集や旅の計画にはChatGPTを使い、旅の全体像が1時間足らずで完成した。もちろん、書店で『地球の歩き方』のタイ編とラオス編を手に取る—これだけは私にとって旅の儀式のようなものだ。

 

 

流れの中での出会い

 

68歳の私がAIを使いこなせるとは思っていなかった。それでも、この旅の準備段階で感じたのは、AIが単なるツール以上の存在だということ。情報を引き出すだけではなく、新しい視点を提供してくれる。それは旅に必要な流れを作り出す助けとなった。

 

今回の旅路がどのようなものになるのかはまだ分からなかった。しかし、ただ一つ確かなのは、この旅が私の中で新しい章を刻むということ。深夜、準備を終えた部屋で静かに心を落ち着けながら、私は次の流れを待つのであった。

次回はチェンマイの町並み、そして国境を越えた先の物語について語ることにしよう。